財産の調べ方がわからない…とお困りの方へ。漏れなく財産の調査を進める方法【2026年最新版】

大切な家族を亡くし、悲しみの中にいるあなたを次に襲うのは、「手続き」への不安ではないでしょうか。

「専門知識がない私だけで、漏れなく正しく確認できるかしら?」 「知らないうちに法律に触れて、後からペナルティーを受けたりしない?」 「もし、あとから多額の借金が見つかったらどうしよう……」そう思われるかもしれませんが、どうぞ安心してください。

2026年現在、「資産と負債の全体像」を把握するには、「手作業の遺品整理」と「専門機関への一括照会」を組み合わせるのが最も効率的な進め方です。

この記事を読めば、今日から何を確認すればよいのかがわかります。

目次

そもそも「相続財産」には何が含まれるの?

「遺産」と聞くと、預貯金や自宅を思い浮かべる方が多いですが、実はもっと広い範囲のものが含まれます。相続では、プラスのものだけでなく、マイナスのものも引き継ぐことになるのが最大の注意点です。

1. プラスの財産(もらえるもの)

  • 不動産:自宅、マンション、遠方の山林など
  • 預貯金:銀行・郵便局の口座、タンス預金(現金)
  • 有価証券:株式、投資信託、国債
  • その他:車、貴金属、骨董品、生命保険金など

2. マイナスの財産(引き継ぐ負債)

  • 借金:銀行ローン、消費者金融からの借り入れ
  • 未払金:入院費、税金、公共料金、カードの未決済分
  • 保証債務:故人が誰かの「連帯保証人」になっていた場合の義務

これらをすべて把握することが、後々のトラブルを防ぐための第一歩になります。

専門機関への「一括照会」で効率よく調べる

2025年から2026年にかけて、相続の手続きはデジタル化により劇的に便利になりました。一つひとつの窓口を回る必要はありません。

主要な一括照会制度の一覧

それぞれの制度を利用する際には、数千円程度の手数料がかかります。

照会対象制度・機関名ポイント
預貯金相続時口座照会制度マイナンバー紐付け口座を全国一括で特定(2025年4月〜)
不動産所有不動産記録証明制度法務局が全国の所有不動産をリスト化(2026年2月2日〜)
借金CIC / JICC / 全銀協クレジットカード、消費者金融、銀行ローンの有無
株式証券保管振替機構(ほふり)取引のある証券会社名を一括回答
保険生命保険契約照会制度国内42社の契約有無をまとめて確認

調査に共通して必要な書類

どの機関へ照会する場合も、基本的には以下の書類がセットで必要です。

  • 亡くなった方の戸籍(除籍)謄本: 亡くなった事実の確認
  • 相続人の戸籍謄本: 相続権があることの証明
  • 相続人の本人確認書類: マイナンバーカード、免許証など

「法定相続情報一覧図」をまず作ろう
最初に法務局でこれを作っておくと、各機関に「戸籍謄本の束」を何度も提出しなくて済むようになり、手続きが劇的に楽になります。
「法定相続情報証明制度」について:法務局
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000013.html

銀行口座

相続時口座照会制度(2025年4月〜)

亡くなった方がマイナンバーを口座に紐付けていた場合、預金保険機構などへの申請一つで、全国の銀行・信用金庫に口座があるかどうかを一括で調べられます。通帳のないネット銀行の見落とし防止に非常に有効です。

相続時預貯金口座照会のお申込みにあたって – 預金保険機構
https://www.dic.go.jp/katsudo/content/souzokuji_yotyokinkoza_no_omousikominiatatte_20250423.pdf

この制度でわかるのは、あくまで『マイナンバーを登録してある口座』だけ、という点には少しだけ気をつけたいですね。
昔から使っている古い口座などはリストに出てこないこともあるので、最後はご自身でも確認しておくとより安心です。

「将来、家族に負担をかけたくないな」とお考えの方は、こうした便利な仕組みを知っておくことも、大切な家族への思いやり(生前対策)のひとつになります。

不動産

所有不動産記録証明制度(2026年2月2日〜)

2026年2月に開始される新制度です。法務局で手続きをすれば、亡くなった人が全国に所有する不動産をリストアップして教えてくれます。これまでのように市役所ごとに書類を取り寄せる手間がなくなりました。

※2024年4月からの「相続登記の義務化」に伴い、このリストでの確認は必須と言えます。

所有不動産記録証明制度が令和8年2月2日から運用開始:旭川地方法務局
https://houmukyoku.moj.go.jp/asahikawa/page000001_00531.html

不動産の相続登記義務化!過去の相続分は?所有不動産を一覧的にリスト化する新制度も開始! | 政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/article/202512/entry-10431.html

相続登記義務化が2024年4月にスタート
2024年(令和6年)4月1日から相続登記が義務化されました。
これまでは、不動産登記名義人が亡くなって、相続登記が放置されていてもペナルティーを受けることはありませんでした。しかし、現在は亡くなった人が所有していた不動産について漏れなく相続登記をするのが義務となっています。

相続登記が義務化されました(令和6年4月1日制度開始):東京法務局 https://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/page000275.html

借金(負債)

信用情報機関への開示請求

借金の有無は、本人以外にはなかなか見えにくいものです。以下の3つの機関に照会をかければ、ほとんどの債務が判明します。

  • JICC / CIC: クレジットカード、消費者金融、信販会社の借り入れ。
  • 全銀協(KSC): 銀行のローン、住宅ローン、奨学金。

郵送やスマホアプリから申請でき、数日から1週間程度で「契約内容」や「残高」が記載された回答書が届きます。

二親等以内の血族 法定相続人等による開示 | 開示を申し込む | 開示サービス | 日本信用情報機構(JICC)指定信用情報機関
https://www.jicc.co.jp/kaiji/31

郵送で開示|情報開示とは|指定信用情報機関のCIC
https://www.cic.co.jp/mydata/mailing/index.html?tab=env_tab4

本人開示等の手続きについて | カード補償情報センター | 一般社団法人 全国銀行協会
https://www.zenginkyo.or.jp/hosho/open/

株式・保険

業界団体への一括照会

  • 株式: 「証券保管振替機構(ほふり)」へ開示請求すると、取引のある証券会社名を一括で回答してもらえます。
  • 保険: 「生命保険協会」の制度を使えば、国内42社の契約有無をまとめて確認できます。「どの会社と契約していたか」がわかるだけでも、その後の手続きが格段にスムーズになります。

ご本人又は亡くなった方の株式等に係る口座の開設先を確認したい場合 |証券保管振替機構 
https://www.jasdec.com/procedure/shareholders/disclosure/direct/

生命保険契約照会制度のご案内 | 生命保険協会
https://www.seiho.or.jp/contact/inquiry/

「手作業の遺品整理」で見えない財産を追う

一括照会で見えてこない「アナログな財産」や「個人的な貸し借り」は、ご遺品の中からてがかりを見つけ出します。

郵便物・書類を「仕分け」する

まずは自宅に届いた過去1年分の郵便物を、以下の4つのボックスに分けてみてください。

  1. 税金関係: 固定資産税の納付書(一括照会で漏れた土地のヒントになります)
  2. 金融関係: 証券会社からの運用報告書、カード会社の利用明細
  3. 保険関係: 保険料の控除証明書、更新案内
  4. 督促状・通知: 消費者金融や個人名での手紙(借金の可能性があります)

通帳の「履歴」から流れを追う

手元にある通帳は、残高だけでなく「引き出し・振込」の履歴を徹底的にチェックします。

  • 「振込名」に注目: 毎月一定額が個人名や会社名で引き落とされていれば、ローンの返済やリース料の可能性があります。
  • 「配当金」の入金: 証券会社との取引がある証拠です。
  • 「保険料」の引き落とし: 生命保険だけでなく、火災保険や自動車保険の加入状況もわかります。

デジタル遺産の「入り口」を探す

最近は紙の通帳や証券報告書がないケースも増えています。

  • スマホ・PC: ブラウザの「お気に入り」に銀行や証券会社のサイトがないか、メールの検索窓に「口座開設」「契約完了」「振込」といったキーワードを入れて検索してみましょう。
  • サブスク: クレジットカード明細から、月額制のサービス(動画配信、会費など)を見つけ、解約手続きを進める必要があります。

まとめ:一つずつ整理して、安心を形にしましょう

遺産の調査は、慣れない方にとっては本当に骨の折れる作業です。一度に全部やろうとせず、まずは身近な書類を眺めることから始めてみてください。

  1. 「プラス」と「マイナス」の両方があることを知る
  2. 法務局や銀行の「一括照会制度」を賢く使う
  3. 郵便物や通帳の履歴を「手作業の遺品整理」でチェックする

このステップで進めれば、見落としのない「財産目録」が完成に近づきます。

プロに「一括でお任せ」という選択肢も

もし、「書類が多すぎて何がなんだかわからない」「新制度の手続きが難しそう」と感じたら、一人で悩まずに私たちプロを頼ってください。

財産調査を専門家に依頼することは、単に「作業を丸投げする」ことではありません。「法的なリスクを回避し、煩雑な手間やストレスから解放された、円満な相続を実現する」ための賢い選択です。プロに任せることで得られる、3つの大きなメリットをご紹介します。

プロに任せる3つのメリット

  • 徹底したリスク回避:
    専門知識に基づき、新制度ではカバーできない「個人間の借入」や「特殊な資産」まで精査。後からのトラブルを未然に防ぎます。
  • 煩雑な手間からの解放:
    膨大な戸籍謄本の収集や、各機関への複雑な申請をすべて代行。役所仕事のストレスなく、スムーズに調査を進められます。
  • 出口を見据えたアドバイス:
    調査結果をもとに、「相続放棄をすべきか」「税金をどう抑えるか」まで、その後の流れを一本道で繋ぎます。

税理士法人オーケーパートナーでは、最新の法律知識と豊富な経験をもとに、ご家族に寄り添い、二人三脚で相続のお手伝いをさせていただきます。

相続の手続きに迷ったら専門家に相談を

相続の手続きを実際にやってみると「この書類で合っているの?」「税金のことも関係あるの?」と迷うことが多いものです。

そんなときは、一人で抱え込まず専門家(税理士や司法書士など)に相談するのが安心です。

「税理士法人オーケーパートナー」では、初めて相続を迎える方にもわかりやすくサポートしています。

‐監修者‐
大久保 俊治

税理士法人オーケーパートナー 税理士
税理士経験20年以上。
「かゆいところに手が届く」、お客様にとってそんな心地よい存在を目指します。

(本記事は税理士の監修のもと、相続が初めての方にも分かりやすいよう内容をまとめています。)

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